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フォーサム2017大阪に参加しました

2018/04/28

 

大阪で行われたフォーサム2017という学会に参加してきました。

フォーサムとは英語で「4人組」という意味で、この学会は

日本眼感染症学会
日本眼炎症学会
日本コンタクトレンズ学会
日本涙道・涙液学会

という4つの学会の合同総会となっています。

合同総会は複数分野の発表を聞けるというメリットもありますが、聞きたい発表が重なった時にどちらかをあきらめないといけないというデメリットもあります。昨年は主に涙道関連の発表を聞いたのですが、今年はコンタクトレンズ関連の発表を聞いてきました。

コンタクトレンズの素材や設計の進歩により、ただ単に近視・遠視・乱視を矯正する手段から、その人の生活を幸せにするための生活必需品になってきているのかなという印象を持ちました。

一番驚いたのはある講演で聴いた80代女性のケースでした。絵画鑑賞が趣味のその女性は「眼鏡をかけたくない」ということで初めてのコンタクトレンズを希望され、若い方と同じ程度の練習時間でつけたり外したりができるようになりとても満足された、ということでした。中高年以上の年代の方が初めてコンタクトレンズを希望されると、眼鏡でいいのでは、と思われがちですが、ご本人の希望と熱意があれば眼鏡よりも幸せになれる可能性があるのだと思いました。

そして最先端の研究のお話も聞くことができました。

ソフトコンタクトレンズ型バイオセンサというもので、涙に含まれる糖分を測定することで間接的に血糖を測定するものです。血糖を測る場合、今は血糖測定器で指先を少し針で刺して少量の血液で測る、ということをしています。細い針を使っているとはいえ痛みが全くないわけではありませんし、また連続的に測定することもできません。

ソフトコンタクトレンズ型バイオセンサであれば1日を通して継続して測定が可能になります。ただ、臨床応用にはまだまだ研究開発が必要なようで、とくにセンサから得られたデータをどのように取り出すかという通信技術の進歩が必要なようです。この研究はGoogleが「スマートコンタクトレンズ」プロジェクトを発表したことでとても注目を集めたのですが、この研究では今回ご講演された東京医科歯科大学の三林先生が先行されているということで、世界初のデバイスが日本で開発されて臨床応用されることを期待しています。

学会に行くと、その分野で熱心に研究されている先生方の発表を聞き、また熱い討論を聞くことで、とても刺激を受けることができます。また勉強を続けることで、外来診療もより良いものにしていくことができると感じています。学会参加のため休診にすることがあり患者さんにご迷惑をおかけすることになるのですが、自分の診療技術を日々向上させることでよりお役に立つことができると信じています。ご理解をいただければ幸いです。

 

前田真理子

 

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