弱視斜視学会・小児眼科学会に参加しました
先週、神戸で行われた日本弱視斜視学会・小児眼科学会の合同学会に参加してきました。
朝の9時から土曜日は夜の7時までシンポジウムや発表、講習会を聞き、充実した2日間でした。
特に印象に残ったのは、「両眼視の基礎と臨床」というシンポジウムでの大阪大学大学院生命機能研究科 認知脳科学研究室 藤田一郎教授の講演でした。
人がものを両目で見て立体的に見える仕組みについて基礎研究をされている世界的な研究者です。
私たちが住んでいる世界は三次元の世界なので、ものが立体的に見えるのは当たり前のようですが、実際には右目と左目が受け取る情報のわずかな差から脳が立体感を作り出している、ということを最先端の研究結果を踏まえながらわかりやすく教えていただきました。
物理的な現象から立体的に見えるという「心」のできごとにつながる、ということが研究者としてとても魅力的に感じる、とのお話に心を動かされました。
弱視や斜視のお子さんは「両眼視機能」の発達が障害されて、同じものを見ても立体的に見えない場合があります。
両眼視機能の発達は5歳までにほぼ完了すると言われています。
それまでにきちんと発見し、治療をすることが大切です。
お子さんの目について、何かおかしいかも、と少しでも思われたら、眼科を受診して相談されることをおすすめします。
私もこれからも「両眼視」を大切に、弱視斜視の診療を行っていきたいと思います。
前田真理子